今回は、とある読者の方からの質問メールをきっかけに、インド人と日本人の身体性の違いについて言及しました。
「氣」を降ろすことで心身が整う日本人と、むしろ「氣」を上げていくことを求めるインド人。
それぞれの違いや、ワークをする際の注意点について語っています。
本編動画はこちら⇓
以下、文字起こしした内容に、読みやすいよう手を加えたものを掲載します。
◎前置き
はい、講話第8回です
最近、私は氣を下に降ろすということをよく言うんですが
それに関連して、さっき質問のメールが届きました
私は、頭のセンターに軸足を置くんじゃなくて
「氣」を下に降ろしていきましょうということを言っているんですけど
その質問をしてくれた人は頭とか胸とか、上の方じゃなくて
自分の身体よりも下の方で、苦しみを感じるというんですね
「その場合どうしたらいいか?」というご質問のメールをいただいたので
今回は、それに関連することをお話ししようかと思います
◎人は頭や胸に軸足を置くことで苦しむ生き物
基本的に人間っていうのは、頭の中で思考がいっぱいになって苦しむもので
頭が中心になることで、コントロール欲求も強まるんですよね
つまり、何でもかんでも「思い通り」に操作したくなってしまうわけです
「未来を思い通りに変えたい」とか、「変えようのない過去を理想通りにしたい」とか
「なんでああしなかったんだ」「こうしなかったんだ」ってことを
やっぱり誰しも考えるじゃないですか?
それって、過去や未来を理想通りにしようとしてるんですね
でも、現実にはそうもいかないので、人は苦しむことになるわけです
「変えようのない過去を変えよう」として苦しみ
「まだ決まっていない未来を理想通りに固定しよう」として、人は苦しむんです
それって、頭が中心になってるからなんですね
あるいは胸に軸足があるのであれば
「人からの愛情を受けたい」「承認をされたい」っていうような形で
人との関わりを求めるようになっていきます
それは、胸が「他者とのつながり」と関係するセンターだからです
なので、胸に軸足を置いてると
「人との交わり」の中で感情のブレを感じやすいですね
たとえば、「人と理解し合えない」とか「愛情が十分得られない」とか
そういったことが、苦しみの元になったりするわけです
◎エネルギーを上へ上げていくインド人
で、そういう風に、人というのは身体の上のほうにある頭とか胸で
苦しみを感じるものだと私は思っていたんですけれど
その質問をされた方は
「自分の身体よりも下から苦しみが上がってくる」って言うんですね
地下から「マグマ」のようなものが上がってくるんですかね?
それで、「そういう人はどうしたらいいか?」っていう話です
ただ、私はこの質問をされて思い出したんですけれど
インドの考え方だと下から上にエネルギーを上げていくんですよね
中国や日本で「氣」って言っているものを、インドでは「プラーナ」と呼んでいて
インドでは「プラーナ」を上に上げていくんです
そもそもヨーガの考え方では
エネルギーのセンターであるチャクラが7つあるとされていて
まあ、流派によっては9つあったりもするみたいなんですけど
伝統的なヨーガだと、チャクラが7つあるんですね
下から順番に7つあって、一番上がサハスラーラって言って頭頂部にあるんですよ
流派によっては「頭頂部よりちょっと上だ」って言うものもあるんですけど
とにかくチャクラが7つあって、一番上がサハスラーラです
それで、ヨーガではこのサハスラーラへとエネルギーを上げていくんです
背骨を通してエネルギーを上げていって
サハスラーラからエネルギーを解き放つようにしていきます
要するに、インドだと頭頂部に「宇宙との接点」があるという考えを取るんです
身体の下のほうから、その「宇宙」に向かってエネルギーを上げていって
サハスラーラからエネルギーを全面的に解き放つことで人は「解脱」できるんだ、と
そんな風に考えるのが、インドの考え方なんですね
◎「氣」を下に降ろしていく日本人
でも、日本の他に中国でもそうなんですけれど
インド人を含めた東洋人の中でも、「極東寄り」というかね
中国人や日本人は、氣を下から上に上げるんじゃなくて
上から下に下げていくんですよ
日本人や中国人は「上虚下実」っていう言い方をよくするんですけれど
「上虚」なんで上は「スカスカ」なほうが良いわけです
それで、「下実」だから、「下は充実してるほうが望ましい」っていう感じで
中国や日本では昔からそんな風に「理想の在り方」を考えていたんです
たとえば、日本人の武士の立ち振る舞いとか立ち姿もそうじゃないですか?
肩撫で、肩はストーンと落ちてて
下半身は袴を履いてて、下のほうが太くなっているんですよね
へそより上の胸やみぞおちは緩んでいて、下っ腹は充実している
上が細くて下が太い形の三角形をイメージしてもらったらいいと思います
それが、私たち日本人にとっての「理想的なエネルギー構造」なんです
だからこそ、「氣」を下に下に降ろしていって
上はスカスカにして下を充実させようとするわけです
逆に、インド人は下から上に上げていくんですよ
エネルギーを上に上げていって
それで、一番上の頭頂部から解き放つんです
こんな感じで、日本人とインド人で身体性が違うんですよ
日本人は身体の上のほうで生じた苦しみとか思考の塊とかを
下腹へと落としていって、身体の下から解き放つんですよね
心身統一合氣道っていう合氣道の流派では
その「エネルギーを解放する場所」のことを「臍下の一点」って言うんですけど
インドで言うところの頭頂部みたいな「宇宙との接点」が、へそ下のあるんですよ
まるで「魔法の壺」みたいに、何でも吸い込んでくれる一点があって
そこが「宇宙」に通じてるんですよね
だから、私たちが「臍下の一点」を通じて
「ものすごく広大なスペース」にエネルギーを解放することができて
ここにあらゆる思考とか苦しみとかを流していって放電すると
自分の中に何も残らないんですよね
なんでもかんでも、スーッと通していって下腹へ流せばいいんです
それによって心身はすっきりとリフレッシュして、「整った状態」になるわけです
でも、そう考えると、身体の下の方でエネルギーを感じる人は
もうそれ以上はエネルギーを下げようがないですか?
だからそういう人はね
むしろ上に上げていく方がいいと思うんですよ
インド人的にね
そう考えると、そういう人って
「インド人的な身体性」を持っているのかもしれないですね
◎「動体学」に見るインド人と日本人の身体性の違いについて
私が過去にお世話になった人に
河野智聖先生っていう整体武術家がいるんですけど
その人が「動体学」っていう理論を提唱してて
それによると、インド人は腰椎1番っていう背骨が中心になっているそうなんです
腰椎1番というのは、腰にある背骨の一番上にある骨です
それで、この腰椎1番っていうのはエネルギーを上に上げる作用を持っているんですね
上へ上へと、どんどん伸び上がっていくわけです
それはインド人の「頭にエネルギーを集中させる身体性」とかかわっています
実際、インドの人たちって
何千年も前の大昔から、非常に精緻な理論とか哲学を作っているじゃないですか?
それは、腰椎1番的な感受性のゆえに可能となることなんですよ
それに対して、日本人は
腰椎4番って言って、骨盤よりもちょっと上のところにある骨が中心になっています
この腰椎4番は「身体の開閉」と関係があって
特に日本人は「閉」のほう、つまり「締める」ということが大好きなんです
たとえば、帯で骨盤を締めたりとか
たすき掛けをして肩回りを引き締めたりとか
そうやって身体を締めることによって「快」を感じる民族なわけです
そして、そんな風に身体を締めることで、エネルギーを下に降ろすんですね
あんまり難しい理屈を頭であれこれ考えることなく
むしろ無心とか無思考とかを大事にしているのが日本人です
とまあ、そういう違いがあるので
だから、インド人は腰椎1番に焦点が当たってるから
上に上にエネルギーを上げたがるんですよね
それで、頭頂部のサハスラーラから「パカっ」ていう感じで解放する
逆に、日本人は腰椎4番に焦点が当たってる民族だから
下に下にエネルギーを降ろしていって、「臍下の一点」から解き放つわけです
こんな具合で、両者はもう全く真逆の身体性を持っているわけなんですね
◎エネルギーを途中で止めて放置しないこと!
そう考えると、私に質問のメールを送ってくださった方は
日本人でありながら、腰椎1番に焦点が当たっている身体性の持ち主なのかもしれません
つまり、その人にとっては、上にエネルギーを上げるほうが快であるというわけです
上のほうで苦しみを感じずに、むしろ下の方で苦しみを感じて
それを上に上げることで心身が整う
そういう身体性の持ち主なのかもしれないですね
そうであれば、何も他の日本人に合わせて
「氣」を下に降ろさなくてもいいかもしれません
反対に、頭頂部のサハスラーラに向かってエネルギーを上げていって
そこから解き放つほうが、その人には合っているのかもしれないです
つまり、頭頂部から「アース」するわけです
本来、地球に向かって放電するから「アース」って言うんですけども
インド人的な感受性の人は、上に向かって「アース」するんですね
自分の中でエネルギーを滞らせずに、どんどん上へ上げていって
一番上から「アース」するっていう感じです
ただ、どこか途中でエネルギーを止めてしまうと
そこでエネルギーが爆発して、回路がショートしてしまいます
つまり、その部分のセンターを傷つけてしまうことになるんです
例えば、胸でエネルギーを止めて放置してしまうと
後になって胸が痛くなったりとか、胸が苦しくなったりとかするし
眉間のところで止めたまま放置すると
頭がパンパンになって、もうわけわかんなくなったりとかするわけです
だから、エネルギーを途中で止めて放置したりせず
必ず頭頂部まで持ち上げて、天空に解き放つのが大事です
そうすると、後で苦しまなくて済むということですね
なので、その質問をしてくださった方に対しても
「下から上にエネルギーを上げるというのも試してみてはいかがか?」
という風にアドバイスしました
本当にうまくいくかどうかは、わかんないんですけどね
ただ、その時の注意点の一つが
さっきも言ったように
「下から上に上げるとき、途中でエネルギーを止めて放置しない」ということです
例えば、胸で止めるとするじゃないですか?
そうすると胸の中で「放置されたエネルギー」が暴れるので
胸の中のエネルギーの回路が傷つけられてしまうんですよ
なので、決して途中で止めて放置せずに
「必ず頭の上からちゃんと放電するまで流すようにしてみてください」
という風にも付け加えてお伝えしました
とはいえ、ほとんどの日本の人は
上から下に「氣」を降ろしたほうが身体はまとまると思います
だけど、「そういう人ばっかりでもないんだな」というのを
メールをいただいたことで気づいた次第です
なので、もしもあなたが身体の上のほうで苦しみを感じず
むしろ身体の下の方から感情が湧き上がってくるように感じるなら
エネルギーを下から上へ上げていって
「頭頂部からアースする」っていうのをやってみてはいかがかな、と思いますね
◎終わりに
というわけで
下に降ろすばっかりじゃなくて上に上げるという方法も
世の中にはあるんだということを念頭に置いていただいて
特に、上に上げる場合には途中で止めないこと
必ず上まで上げ切って、「頭頂部からアースする」というようにしてみてください
では、これで第8回の講話を終わります

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