昨日は、夜にオンライン瞑想会があって、参加者がお一人おられました。
それで、瞑想の話をしていたのですが、途中から「意識をどう使うか」ということではなく、「身体をどう使うか」という方向に話が進んでいったのです。
私はこのところ、瞑想で坐るときに眉間と臍下の一点を結ぶことを強調しているのですが、その際、人によっては身体に力が入ってしまうこともあるようです。
私自身は、眉間と臍下の一点を結ぶと自然と身体の力を抜くことができていたので、ほかの人もきっとそうだろうと思い込んでいたのですが、実際にはそんなことはありませんでした。
そこで、参加された方の症状などについてヒアリングをおこない、骨盤を動かすワークをおこないました。
どうもその方は骨盤が反り気味のようだったので、骨盤をあえて後傾させ、腰をふくませるような立ち方・坐り方の指導をしました。
その人はいつも瞑想で坐っている間、姿勢を何度か途中で直すそうなのですが、昨夜の瞑想会では、坐り方を変えたおかげかそういった必要を感じなくなったそうです。
つまり、同じ姿勢のまま、安定して坐り続けることができたわけですね。
今回、私が指導したのは、腸腰筋というインナーマッスルを使った立ち方・坐り方です。
ちなみに、腸腰筋というのはこんな筋肉です。

この腸腰筋という筋肉は、四足歩行をする動物にとってはたいして役に立たない筋肉なのですが、直立二足歩行をする人間にとっては、骨盤と背骨の位置関係を調節する、非常に重要な姿勢維持筋です。
ちなみに、武道の達人や、プロの能楽師の人などは、CTを撮るとこの腸腰筋がものすごく発達していて太いそうです。
腸腰筋は、身体の表層についているアウターマッスルに比べて鍛えにくいですが、一度鍛えると衰えにくく、年を取っても働きが維持されるらしいので、優れた武道家や能楽師は、老年になっても高いパフォーマンスを維持することが可能だったりします。
それはともかく、この腸腰筋は姿勢を維持する働きをする筋肉であり、瞑想で長時間坐る場合、ここがしっかり使えているかどうかはけっこう大事になります。
なぜなら、インナーマッスルである腸腰筋は、骨盤と背骨に密着する形で存在しているので、姿勢を維持する際にダイレクトに働くことになるからです。
そもそも、「身体の表層」にあるアウターマッスルでもって、「身体の奥」にある背骨や骨盤を操作しようとすると、どうしてもエネルギーのロスが大きくなり、持続的に姿勢を維持することが難しくなります。
また、そういった表層の筋肉の力みは、氣を上に引き上げることにもつながるので、重心が上ずって呼吸が浅くなりがちです。
つまり、身体を沈み込ませて、深く息をするためにも、身体の表層の筋肉はリラックスさせて、骨盤や背骨に直接付着している深層の筋肉で姿勢をコントロールしたほうがいいわけです。
ということで、今回の瞑想会は、「瞑想の実践」というより「身体の使い方の練習」という感じになりました。
腸腰筋の使い方をお伝えして、腰回りを太く安定させる方法をつかんでもらい、ひとまずそれを課題として持って帰ってもらった次第です。
しかし、腸腰筋の使い方については盲点でした。
私自身は、眉間と臍下の一点を結びさえすれば、自然とアウターマッスルの力みは抜けるものと思っていたのですが、それはインナーマッスルがちゃんと機能していた場合の話です。
インナーマッスルが機能していないままアウターマッスルの力を抜いたら、そもそも立っていることができずに崩れ落ちてしまうでしょう。
アウターマッスルの力みを抜くためにも、先にインナーマッスルの使い方を伝える必要があったということに、不覚にも私は気づいていませんでした。
そういったわけで、次回から、瞑想会では腸腰筋の使い方も伝えていこうかと思っています。
インナーマッスルの使い方が全く分からないまま眉間と臍下の一点を結んでも、たぶん力は抜けません。
なので、順序としては、まず腰回りをインナーマッスルで安定させることが先になります。
むしろ、それができれば身体の力は自然と抜けていくかもしれません。
そして、楽にリラックスして立ち・坐る中で、自然と氣は下降していき、内側には静寂が訪れることになるわけですね。
しかし、今回も参加者に教えられました。
今後はこの視点も加えたうえで、瞑想について指導していこうと思います。

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