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ある「夢」の話

さっき寝ていたら、不思議な夢を見ました。

ある男の子の夢です。


その子は、平和な国で暮らしていました。

気の弱い子で、思ったことをなかなか言えなくて、周りに流されてしまうところがありました。

でも、優しい心も持っていて、彼と同じように気の弱いところのある人たちは、自然と彼のそばに集まってきました。

だから、彼は気が弱くはあっても、孤独は感じていませんでした。

彼は「気の弱い仲間たち」に囲まれながら、「ささやかな幸せ」を感じて暮らしていたのです。

しかし、ある日、その国は突然隣国と戦争を始めました。

彼は「仲間たち」とバラバラになってしまい、とある戦場に送られました。

ただ、そこは比較的落ち着いた戦場で、彼はさして「危険な目」に遭うこともなく、生き延びることができました。

彼は自分が生き残れる自信がなかったので、一安心していました。

でも、しばらくすると、彼は風の噂で「かつての仲間たち」が激戦地に送り込まれていることを知りました。

自分自身が「比較的安全な場所」で生き延びていた間に、「仲間たち」が死地に送られていたことを、彼は知ったのです。

彼はそれを知って、苦しみました。

自分がある意味で「安全な場所」で生きている間に、「仲間たち」が死につつあるように思えたからです。

でも、彼はすぐに彼らの元に行くことができませんでした。

なぜなら、それは「自分の安全」を捨てることであると同時に、「国からの命令」に背くことでもあったからです。

彼は悩み、苦しみました。

自分だけが「安全な場所」で生きている「疚しさ」に苦しみ、それでいながら「仲間たち」の元に行くことを選べない「自分の弱さ」に苦しんだのです。

彼は次第に、「自分の弱さ」を憎み始めました。

「強くなりたい」
「仲間たちの隣で戦えるだけ、強くなりたい」

彼はそのように願い始めました。

すると、突然、空を割って機械仕掛けの船が落ちてきました。

ビックリした少年が呆気に取られていると、船の中から太ったひげ面の科学者らしき男が降りてきました。

そして、まるで何もかも見透かしたみたいに、少年にこう言いました。

「もしも強くなりたいなら、船の奥に在る部屋に入りなさい」

少年は、苦しさのあまり頭がうまく働かなくなっていて、疑うこともなく、船の中に入っていきました。

そして、科学者に導かれるまま奥の部屋へと入っていき、無数の電極をつながれたのです。

しばらくすると、科学者は「幸運を祈る」とだけ言って、いなくなってしまいました。

部屋は急に暗くなり、電極を通して激しい痛みが生じ始めました。

少年は声も出せないような痛みを感じ、もだえました。

頭の中は真っ白で、何も考えられません。

ただ、「逃げたい!」「もう嫌だ!」という本能的な感情だけが火花のように散っては消えていきました。

そんな時間が、どれだけ繰り返されたかわかりません。

でも、ある瞬間を境に痛みは消えて、彼はまるで自分が生まれ変わったような感覚を感じ始めました。

すると、科学者が再びやってきて、黙ったまま彼の身体から電極を取り除きました。

そして、最後に少年にこう言ったのです。

「仲間たちの元に行ってやるがいい」
「今の君にはそれができる」

少年にも、それがわかりました。

身体は羽のように軽くなっていて、彼は空を翔けるように飛び始めました。

それが「国からの命令」に背くことだったとしても、彼はもう気にしなくなっていました。

「今から行くよ」
「だから、どうかまだ生きていてくれ」

そう想いながら、彼は空を飛んで「激戦地」に向かっていったのです。


そこで、私は目が覚めました。

少し胸がドキドキしていましたが、でも、同時に心が落ち着いているような気もしました。

少年は「仲間たち」に会えたのでしょうか?

たぶん、会えたのではないかと思います。

そして、彼は「明日をも知れぬ戦場」で、「仲間たち」と一緒に戦い続けたのではないかと、私は思います。

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